「銀幕の詩」完成上映会 50年ぶり映画館復活を映画に 監督とキャストが舞台あいさつ

2022.10.07
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映画で使用したアフロヘアのかつらをかぶり、キャストらと記念撮影する中央小の子どもたち=兵庫県丹波市春日町黒井で

兵庫県丹波市に昨年、約50年ぶりに復活した映画館「ヱビスシネマ。」(同市氷上町成松)を巡る物語を描いた人情コメディー映画「銀幕の詩」(監督・脚本=近兼拓史さん)が完成し、9月30日、春日文化ホールで地元向けの先行プレミア上映会が開かれた。近兼監督をはじめ、柴田由美子さん、松岡智子さん、一明一人さんら主演キャストらが勢ぞろいして舞台あいさつを行い、華やかな雰囲気の中、市民ら約350人が完成したばかりの映画を楽しんだ。

上映会前の式典で感謝を述べる近兼監督

上映前の式典では、近兼監督やキャストが、レッドカーペットを通って入場。その様子がスクリーンにも映された。コロナ禍に阻まれ、構想から費やした期間は約4年。近兼監督は「今回ほど苦労した作品はない。コロナでしんどさも2倍になったが、多くの人に助けていただいた」と笑顔で感謝を述べ、キャストたちも裏話などを披露した。

「銀幕の詩」(約90分)は、静かな丹波市で、市役所のすぐ近くに暴力団事務所ができてしまい、市職員と住民が力を合わせて立ち退きを妥結、建物を映画館にする―という筋立ての人情コメディーで、実際に元暴力団事務所だった建物を「ヱビスシネマ。」に改修するという現実と交錯させながら撮影した。

また、加古川と由良川の2つの川と共に栄えてきた源流のまちという視点を織り込み、美しい自然も表現している。

撮影は市役所や学校でも行われ、市民エキストラが200人以上出演した。暴力団一家の真似をして、アフロヘアのかつらをかぶってはしゃぐ子どもたちの役で出演した中央小児童もプレミア上映会に参加。5年生の山本梨花さんは「自分もほんまに出てたんやなとうれしかった。たくさんの人に見てほしい」と話し、娘と来場していた谷垣涼子さん(46)=氷上町常楽=は「美しい風景が映像に流れて、良いまちに住んでいるなと改めて思った。『ヱビスシネマ。』にも行ってみたい」と笑顔で話していた。

映画は来年2月から全国公開される予定。

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