芦田集学校長 小寺啓基さん(丹波市青垣町東芦田)

2022.10.09
たんばのひと

小寺啓基さん

「ゲームは道具」伝えたい

中古パソコン・スマートフォンなど、IT機器のリユース事業を展開するリングロー(本社・東京都豊島区)の兵庫支社、旧芦田小学校(丹波市青垣町田井縄)の「芦田集学校」“校長”。コンピュータ専門学校でプログラミングを学んだ。

高齢者を中心に相談客が訪れ、無料Wi―Fiがあり、ゲーム好きの子の遊び場にもなっている。開所から1年半。「役に立つ場所だと少しずつ認知されてきている」と実感している。

「教育とプログラミング」がテーマ。小学校で授業が始まるなど、プログラミングは注目されており、青垣小学校のクラブ活動、青少年健全育成協議会、子ども会など、あちこちから声が掛かる。これまでのロボットを使った教材に加え、人気ゲーム「マインクラフト」のキャラクターをプログラミングで動かす教材を導入する。ロボットは物理的制約があるが、ゲームキャラクターをゲーム内で動かすプログラミングは拡張性が無限。「きっと子どもは夢中になる。『教えてあげなきゃ』という気持ちでなく、自分も一緒に楽しむくらいの感じでいたい」

話題の「eスポーツ」の設備をそろえ始めている。子どもたちに「田舎にいても刺激的な体験ができる」を実感させたいという思いからだ。一方、「うちの子はゲームばかり。どうすれば」と、保護者から相談を受ける。フリーター時代、1日12時間ゲームをしていた自身の経験から「得た物は何もない」と言い切る。「ゲームは、使い方。今も好きだが、人と仲良くなる『道具』として使っている。『早く宿題を終わらせてゲームをする』は、ゲームが目的で、ゴール。『道具』としてゲームを使うことを教えたい」。31歳。

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