戦国の世に思いはせ 直正描いた能上演 司馬の小説「貂の皮」題材

2022.11.07
地域

黒井城主、赤井(荻野)直正を描いた物語が上演された「スペクタクル新作能『貂ノ皮』×甲冑隊in丹波」=2022年11月3日午後零時2分、兵庫県丹波市春日町黒井で

兵庫県丹波市春日町の黒井城主だった赤井(荻野)直正が登場する司馬遼太郎の小説「貂(てん)の皮」を題材にした「スペクタクル新作能『貂ノ皮』×甲冑隊in丹波」(丹波能楽振興会主催)が3日、黒井城跡近くの兵主神社で行われた。境内に特設ステージが組まれ、時おり秋風に乗って枯れ葉が舞い散る中、観覧者は能楽師が演じる戦国の世に思いをはせていた。

能楽師の上田敦史さん(49)=同市氷上町=が手掛けた新作能で、羽柴秀吉の命を受けた脇坂甚内が、赤井直正に降伏開城を説くべく黒井城に乗り込むというストーリー。合戦シーンには、地元の黒井城甲冑隊なども出演し、臨場感ある演出に一役かった。

能の上演前には、春日戦国太鼓の演奏や、春日郷土民踊保存会による「黒井おどり」の披露もあった。また、上田さんが能を分かりやすく解説していた。市茶華道会による茶席も設けられ、訪れた人たちは秋晴れに映える黒井城跡を眺めながら風流なひとときを過ごしていた。

運営には黒井城跡地域活性化委員会(吉住孝信委員長)が協力した。

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