本格「石焼き芋機」 自社の技術生かし開発 「家庭で店の味を」

2022.12.24
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自社の金属加工技術を生かして製造した調理器具で石焼き芋を焼く、タケイチ工業の小堀健一社長。焼き芋窯を下ろすと、コンロになる=2022年12月17日午前9時5分、兵庫県丹波市山南町草部で

兵庫県丹波市山南町の製缶業、タケイチ工業(小堀健一社長)が、家庭で本格的な焼き芋が作れ、キャンプなどのレジャーでも使える鉄製の万能コンロを開発した。上部が焼き芋の窯、下段がまきをくべる火炉。上下段分離式で、持ち運びも簡単。「これを使って、いろいろ楽しんでもらえれば」と話している。

「丹波本格的万能コンロ 石焼き芋っくん」(税込み3万8800円)。意匠登録出願中。鉄板は厚み3ミリと頑丈なつくりで、下段の火炉が30センチ角、高さ35センチ(10キロ)。その上に、29センチ角、深さ12センチの窯(9キロ)を載せる。窯の中に、市販されている石焼き芋用の石を入れ、その上に芋を並べて加熱すると、遠赤外線の働きでふっくら、しっとりとした焼き芋が出来上がる。

焼き芋が大好物の小堀社長が、ガスコンロに載せる陶製の焼き芋機などでは満足できず、かと言って業務用は高くて手が出ないと、鉄やステンレスなどの厚板鋼板を加工・成形する自社の専門性を生かし、自社で製造した。

「石焼き芋っくん」で作った、ふっくらしっとりの石焼き芋

「石焼き芋と、焼き芋は別物と言っていいくらい、おいしさが違う。まきをくべるだけで、お店で買う焼き芋の味になる。アルミ箔で包んで、たき火の中に投げ入れる焼き芋は、皮が焦げがち。自分で作る石焼き芋と比べると、これまで食べていた焼き芋は何だったんだろうと思うレベル」と、自信たっぷり。

窯を下ろし、天板部分が格子状の火炉にフライパンや鍋など調理器具を載せて、「キャンプ飯」用のコンロにも。上段に載せる鉄製ピザ窯も開発中で、載せ替えでさまざまな料理が作れるようにする。

小堀社長は「非常時の熱源にも使える。1台あれば、楽しさが広がる。ぜひ一家に一台」と呼び掛けている。

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