「年間通して1軍で」 千葉ロッテ・中森投手 郷里の「はたちのつどい」で思い語る

2023.01.12
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「はたちのつどい」の式典後、同級生たちと記念写真に納まる中森投手。アイドルのように、次々と記念撮影を求められていた=兵庫県丹波篠山市北新町で

2年目のシーズンを終えたプロ野球・千葉ロッテマリーンズの中森俊介投手(20)=兵庫県丹波篠山市出身=が、同市内の在住者、出身者の20歳を祝う式典「はたちのつどい」に出席するため、およそ1年ぶりに帰郷した。式典の合間、報道陣の取材に応じた。けがに泣かされた昨シーズンの経験を糧にし、「最低限、開幕1軍。年間を通して、1軍で活躍できるように」と、今シーズンに懸ける強い思いを語った。

中森投手は昨シーズン、2軍のイースタン・リーグで6試合に登板。20イニングを投げて1勝0敗、防御率は0・90という好成績を残し、成長の跡を見せた。だが、4月に右肩を痛め、8月中旬まで登板はなく、秋には足の肉離れを起こした。1軍での初登板はかなわなかった。

昨シーズンを振り返り、「4月までは調子も良く、良い感じで勝負できていた。真っすぐで勝負できている感じもあり、ファールを打たせ、カウントを取れていた」と手応えをつかみつつ、「けがでシーズンを棒にふってしまった」と悔やむ。

3年目を迎える今シーズンは「勝負の年」と位置付ける。「使ってもらえるならどこでも良い」といい、先発に対するこだわりはない。

現在の課題に、「投げた後の疲れをいかに回復させるか」を挙げる。「日々ストレッチを重ねたり、試合で投げるまで練習の球数を減らしたりして、凡事徹底をしていく」と話す。

また、手応えをつかんでいるストレートを生かすべく、「空振りを取れる勝負球が欲しい」と言う。「特にスライダー、チェンジアップは、高校時代は自信があったが、プロでは当てられてしまう。球種を増やそうとは思っていない。今ある球種のレベルをもう一段階上げたい」と力を込める。

久しぶりに地元に帰り、「第一印象は『寒い』。朝起きて車が凍っていることなんて、千葉では滅多にない」と淡々と話した。帰省後の自主トレは、兄の竜太さんや篠山東中時代の同級生らとこなすなど、懐かしい交流もあり、「心が温まる」と話す。

8日のはたちのつどいの式典後には、アイドルのように、同級生たちから次々と記念撮影を求められていた。

翌日には千葉に戻り、10日からは、チームの先輩である石川歩投手(34)や東條大樹投手(31)、佐々木千隼投手(28)らと自主トレに励んでいる。

石川投手とは、トレーナーを紹介してもらった縁から、昨シーズンから自主トレを共にしている。「石川さんは、自分の感覚にはない、体幹や力の使い方を意識されている。見て、聞いて、吸収していけたら」と意気込む。

周囲の期待については、「自分はすぐに焦ってしまうところがあるので、あまり考え過ぎないようにしている。けがをしていると、『自分は何をしているんだろう』『周りは投げているのに』と追い込んでしまう。とりあえず、焦らないように」と、自分のルーティンを守った練習を意識している。

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