次代の担い手に機器寄贈 しょうゆ製造に活用 JA共済連が高校に

2023.02.08
地域

JA共済連兵庫から寄贈を受けた機器=2023年2月1日午後2時28分、兵庫県丹波市春日町黒井で

農業の担い手の育成に役立ててもらおうと、全国共済農業協同組合連合会兵庫県本部(JA共済連兵庫)が1日、兵庫県立氷上高校にしょうゆ製造時などに活用する蒸気式回転二重釜や、少量ろ過システム一式など、4つの機器(約400万円相当)を寄贈した。同校は県立高校で唯一、しょうゆ製造の許可を持っており、醸造知識や技術を深めるのに役立てるという。

少量ろ過システムは、たんぱく質の変性でできる「オリ」という白濁液などを取り除くことができる。蒸気式回転二重釜は、しょうゆの品質変化を防ぐために必要な加熱殺菌時に使用する。

同校で開かれた贈呈式で、同本部の三森京介本部長は「機器を生かし、未来に夢を持って取り組んでほしい」とあいさつ。足立均校長は「(寄贈の機器を生かし)将来の丹波の食文化をデザインし、本校から発信できることを期待する」と話した。

来賓らを前に、食品ビジネス科2年の的場丈庚寿君と小田蒼彩さんが、寄贈を受けた機器の一つで、液体や固体に含まれる物質の種類や量などを調べられる分光光度計を操作し、茶の濁りを数値化する実演を行った。

同科2年の義積春那さんは「分光光度計は、こうじの透過率を細かく求めることができ、より良いこうじやみそなどを造ることができる。各イベントでの販売時、地域の人に、より安全な食品を提供できる」と述べた。

同本部の「将来の農業の担い手育成のための支援事業」。同校への寄贈は2019年に続き2回目。

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