家庭で飾ることがなくなったひな人形を展示する「丹波・佐治福よせ雛(ひな)」が、兵庫県丹波市青垣町佐治市街地で行われている。「青垣の春」をテーマに、古民家や商店など全10会場に造花の桜を飾り、花見など、春の行事の一場面や、各店舗で働く人の姿を人形とミニチュア小道具で表現している。初開催の昨年の5会場から、今年は展示場所が2倍に増え、期間中の飲食提供日も増やした。入場無料。3月26日まで。
名古屋市発祥で各地に広がる「福よせ雛プロジェクト」(全国33会場)の1つ。人形は、同市の事務局から提供してもらった。
衣川會館では、桜の名所倉町野(同市青垣町西芦田)の花見を表現。宴会料理を囲み、酒盛りをしているように人形を並べたほか、アマゴや団子などのミニチュア屋台をこしらえ、串に刺した1尾3センチほどのアマゴや団子を手作りし、にぎやかな桜祭りを表現。卒業式後の様子を再現した本町の家では、卒業証書の筒を手にした児童と、晴れ姿を撮影しようとスマートフォンを児童に向ける保護者などを再現している。
中兵庫信用金庫青垣支店では宝くじの高額当選者が賞金の預金に同金庫を訪れる様子を、依田資生堂では本物の化粧品を手にメイクしようとするところを、飲食店の黒井屋では名物のカニ料理に舌鼓を打つ場面を表現するなど、各会場が物語性を持った展示をしている。
期間中、日替わりで飲食バザーが出店している(予定はインスタグラムから)。毎週水曜は着物のレンタルもある。
青垣地域の住民でつくる実行委員会と、NPO法人・佐治倶楽部の主催。同法人の衣川百合香さんは、「参加に手を挙げる商店が増え、にぎやかさが増した。佐治のまちを歩いてもらうのが目的。人形と町並みを見てもらえたら」と話している。