兵庫県丹波篠山市立城東小学校3年生13人が、51年前に廃線となった国鉄篠山線の跡地を巡った。駅があった場所や線路跡、保管された駅名板などを見学。かつて人や荷物を載せて走った地域の鉄道に思いをはせた。
社会科の授業の一環。アーカイブ映像や、地図を見て学習を進めてきた児童たちは、篠山線に詳しい松本剛さん(63)の案内で、福住、村雲駅の跡地や松本さんが整備した線路モニュメント、城東公民館に設けている篠山線関連の展示コーナーを見て回った。
児童たちを前に、松本さんは、昭和19年(1944)から47年(1972)まで鉄道が走っていたことや、戦時中に珪石などの資源を運搬していたことなどを説明。また、自家用車の普及で乗客が減ったことなどで廃止されたことを伝えた。
松本さんは、「みんなのお父さんやお母さんは知らないかもしれないけれど、おじいちゃんやおばあちゃんは篠山線のことを知っていると思う。ぜひ篠山線の話をしてあげて」と呼び掛けた。
また、「今、篠山線と同じようにバスの利用が減っていて、いつかなくなるかもしれない。でも、お年寄りの方など、バスがなくなると困る人もいる」と公共交通の課題を示し、「家族で出掛けるときに『バスで行こう』と提案してみて。それがお年寄りのためにも、市のためにもなる」と笑顔で話していた。
児童は、「昔のことを知ることができ、とても楽しかったし、篠山線に乗ってみたかった」とにっこり。「跡地もバスも宝物だと思う。これからも残ってほしい」と話していた。