ふるさと納税の寄付額増に取り組んでいる兵庫県丹波篠山市の返礼品に、国史跡・篠山城跡などで、1泊2日の〝お殿様気分〟を味わえるプランが追加された。「御成体験」と銘打って篠山城大書院を貸し切り状態にし、江戸期の文献を基にした「饗応料理」を味わったり、天守台を寄付者だけのナイトラウンジにしたりと特別感満載。納税額は160万円超と高額だが、市は、「今回のプランが話題になり、丹波篠山のふるさと納税のことをより広く知ってもらえれば」と期待している。
基本プラン(2人、納税額約161万円、実価格約48万円)は、城下町内や歴史文化施設を専属ガイド付きで巡った後、豪華絢爛な障壁画などがある大書院内で、シェフが藩の文献を基に再現・アレンジした饗応料理を満喫。その後、天守台の特設ラウンジでバーテンダーが作る酒などを楽しみ、城下町内にある古民家を活用したホテル「NIPPONIA」のスイートルームに宿泊する。翌日は朝食を食べた後、丹波焼の陶芸体験などを楽しむ。
トータルプラン(2人、納税額約322万円、実価格約96万円)は、基本プランに加えて、青山歴史村桂園舎での本格香道体験や茶席、大書院で寄付者のためだけの狂言などが追加される。
慶長14年(1609)、大坂の豊臣方を警戒するため、徳川家康の天下普請で築城された篠山城。中核をなす大書院は、築城から約260年にわたって使用されてきたものの、昭和19年(1944)に火災で焼失。その後、市民らの熱い思いと寄付により、2000年に再建された。
市ふるさと納税推進室は、「公開中の映画『レジェンド&バタフライ』のロケ地にも使われた城跡。市のふるさと納税のPRにつながれば」と話している。