黒井自治協活動推進員みそ造り教室講師 井口千歳さん(丹波市春日町平松)

2023.03.12
たんばのひと

井口千歳さん

手作りの魅力伝える

丹波市黒井地区自治協議会が主催し、毎年2月ごろに開くみそ造り教室の_先生_。1人30分ほどで仕込み終わることから、「簡単に造れておいしい」と口コミで広まり、近隣住民はもとより市外からも参加がある盛況ぶり。みそ造りを通じ、手づくりの魅力を伝えている。

子どもの頃からハンドメイドが好きで、編み物や雑貨などを作っては楽しんでいた。手造りみそに挑戦したのは20年ほど前。知人に仕込み方を教えてもらったが、失敗することが多く、うまくできたと思っても「買った方がおいしい」と家族にも不評だった。

ここで挫折しなかったのは、「人に聞いて回ることが好きな性格だから」と笑う。みそ造りに親しむ人に「どうやって造っとってん」と仕込み方を尋ねたり、インターネットで調べては取り入れたりして、密閉や保管の方法などを改善。発酵を促す作業「天地返し」は行わない。「それでもおいしくできたから。楽して造りたいし」とほほ笑む。湯がいた豆をつぶす工程など、1人で多く仕込むには時間と労力が必要で、友人を誘って3、4人で楽しむようになった。人が人を呼び、多くの人が集うようになったことから、自身が同協議会の活動推進員になった4年前、当時の会長の提案で自治協事業に発展した。

それが今年は40人を超える参加になった。「自分がしてきたことを、多くの人が楽しいと感じてもらえる喜びがある。これがやりがいかな」と笑顔を見せる。こんにゃく、うどん、奈良漬け、菓子など、できそうなものは自分で作る。「今年は豆腐を作ろうかな」。57歳。

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