「心のバリアフリー」を 600人が城下町で演奏 とっておきの音楽祭

2023.04.19
地域

とっておきの音楽祭への来場を呼びかける実行委員ら=2023年4月5日午前10時52分、兵庫県丹波篠山市北新町で

障がいのある人もない人も一緒に音楽を楽しむことで「心のバリアフリー」を目指す「第8回兵庫・丹波篠山 とっておきの音楽祭」が22日午前10時半―午後5時、田園交響ホール(兵庫県丹波篠山市北新町)を中心にした城下町一帯を会場に開かれる。3年ぶりに条件や制約のない開催で、岩手県から岡山県までの71団体、602人が参加。「青葉城恋唄」で知られるシンガーソングライターのさとう宗幸さんらも参加し、城下町に多彩な音楽を響かせる。

地元の丹波篠山や丹波市のほか、県内各地、大阪、京都、仙台、愛知、東京、岡山などからさまざまなアーティストが参加。実行委員会によると、障がい者の事業所の参加が増えており、およそ半数が障がいのある人のステージという。

さとうさんのほか、聴覚に障がいがある作詞者・星ゆきこさん(岩手)や、人差し指1本でメロディーを奏でるピアノ奏者で、2020東京パラリンピックの開会式にも参加した岩﨑花奈絵さん(東京)らも出演する。

「みんなちがって、みんないい」をテーマにした音楽祭は2001年に仙台市で始まり、全国各地に広がっている。丹波篠山市では、音楽祭の趣旨に共感した丹波地域の住民らが実行委員会を組織して主催。現在、全国約20会場で音楽祭が催されているが、丹波篠山は3番目ほどの規模。また、全国で唯一、市も共催している。

実行委員長で車いすのシンガーソングライターの小西達也さん(姫路)は、「一人ひとりの違いを認め合おうという思いで始めたが、コロナや世界情勢がややこしくなり、今は健康や平和でないと好きな歌も歌えないと感じている。そんな思いが丹波篠山を中心に広がってくれたら」と期待する。

実行委員で重度のダウン症と右の手首から先が欠損しているものの、ピアニストとして活躍している鈴木凜太朗さん(伊丹)は、「とっておきの音楽祭に来てください。よろしくお願いします」と元気に笑顔をはじけさせていた。

会場は▽田園交響ホール▽ホール西側駐車場▽ホール玄関▽市役所第2庁舎前▽大正ロマン館中庭▽大手前南駐車場▽日本キリスト教団篠山教会▽円応教篠山教会▽青山歴史村中庭―。午後3時半から、ホールでフィナーレを迎える。

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