兵庫県議選初当選の大上氏 「担い手不足」など課題取り組む 維新躍進には「余計に結束」

2023.04.16
ニュース地域選挙

今期限りで引退する現職の小西隆紀県議から託された「バトン」を手に思いを語る大上氏=兵庫県丹波篠山市北新町で

今月9日に投開票された兵庫県議会議員選挙の丹波篠山市選挙区(定数1)で初当選を果たした無所属新人で前市議の大上和則氏(56)が本紙などの取材に対し、選挙戦の振り返りや今後の抱負などを語った。

県議選投開票日の様子

―抱負は

演説会などで話してきた内容を行動で示していく。選挙活動の中で、「農業を息子世代が守ってくれるか不安」「若い人が戻ってこず、自治会の役員を数期も務めないといけない」「草刈りが大変」など、集落や農業の担い手不足という課題を聞いてきた。

今後の活動に向けて、地域の実情をもう一度再確認させていただきたいと思う。丹波篠山ブランドを生かした農家などの所得向上も、取り組むべき大きな課題だと感じている。

―具体的にはまず何に取り組む

とにかく現場に赴いて地元の方々に困っている現状や課題を聞かせていただきたい。市が関わる問題、県の支援すべきところ、互いが協調してやっていくものなど、状況を整理する。地元の市議とも連携を密にし、情報共有していく。

―選挙戦を振り返って

市議選は2回経験したが、より広域になる1人区の選挙は体制を整えるのが大変だと知った。ただ、選挙を通じてこれまで知らなかった地域の方と知り合い、手伝ってもらえたことで、選挙になって良かったと思えた。

―勝因は?

(維新との)選挙になったからこそ、余計に「地域をしっかりと守っていかないといけない」という人の思いが強くなり、結束が固くなった。

―県内では維新が躍進した

国政に対する批判と維新の流れが都市部から農村部の方に広がっていることが見えつつあり、当選したものの、気が引き締まる思い。今回は小西県議や後援会のサポートがあったが、4年先は支援してくださっている方も年齢を重ねられる。しっかりと地盤を固めていく。

―小西県議は自民党だったが自身は

今後、自民党県議団に入ることになると思う。知事選を巡って分裂しているので、まずは元に戻すことを考えたい。

―斎藤知事とは

市議時代から観光に関心を持っていた。2025年の大阪・関西万博で知事も人の流れを兵庫に呼び込もうとしている。その点は同じ歩調で歩みたいし、丹波篠山にも流れを導いてくるよう、政策提案したい。

ただ、是々非々が大事。都市部と農村部の考え方は違うので、私は農村部の住民の思いをしっかり伝えていきたい。

―小西県議からバトンを託された

情熱のバトンは受け継いでいるので、小西県議が受けられた要望なども引き継いでいく。インフラ整備の資料も引き継いでいるので、要望に耳を傾ける。

―市の将来をどう考える

集落の維持の難しさを痛感している。集落の維持ができなくなると、村作業ができなくなり、空き家ばかりになり、地域が荒れてくる。

集落の中にまちづくりを考えていく人がいればいいが、話題のない集落もあるのでは。もし集落の将来を考えたいときにはぜひ呼んでもらいたい。

希望としてはできるだけ集落を維持してもらいたい。人口減はあらゆる問題が出てくるし、解決の決定打がないが、これからも追求していく。

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