全国の大学の農学部学生を主な対象に、農業分野の知的財産の保護、活用に関する関心、理解を醸成しようと、「植物品種等海外流出防止対策コンソーシアム」が発行した「次世代の人たちに読呼んでほしい 農業分野の知的財産保護・活用のためのテキスト」に、兵庫県丹波市内の若手イチゴ生産者らでつくる「TEAM TAMBA ICHIGO―ICHIE」が生産するブランドイチゴ「夢丹(むーたん)いちご」の事例が紹介された。商標登録した「夢丹」を使った産地化と加工品づくりの事例が、知的財産をからめた6次産業化の好事例として紹介されている。同コンソーシアムのウェブサイトで全文が無料公開されている。
「夢丹」は、「TEAM―」メンバーの一人で、販売担当の清水紀光さん(丹波ろじべじ)が商標権を登録。「TEAM―」メンバーの生産者、高見敦洋さん(同市氷上町)、木下慎司さん(同市柏原町)、河手大輔さん(同町)のイチゴを「夢丹いちご」として販売しているほか、同イチゴを使った甘酒、イチゴバター、ジャムの加工品を生産者が仕入れ、販売できる仕組みにしており、イチゴの生果がない時期にも通年で収益が得られるようにしている。
清水さん(44)は、「商標登録を取ってブランド化をはかる取り組みが模範とされたのは光栄で、今後の励みになる」と喜んでいる。