農業会社「J―FARM」代表取締役社長 前川愛さん(丹波篠山市)

2023.07.30
たんばのひと

前川愛さん

アパレルから農業へ

丹波篠山市城南地区などで農業に取り組んでいる株式会社「J―FARM」(同市野中)の代表取締役社長で、このほど市から女性では最年少の認定農業者に認定された。元アパレル店員で、父を手伝ううちに農業の魅力に“はまって”転身。「丹波篠山でしか作れない作物を、私たちにしかできない発信方法で全国に届けたい」と意気込む。

父の純さんが取締役、母の晴香さんが専務、兄でデザイナーの井上敦典さんが広報を務め、従業員も1人雇用している。屋号の「J」は、純粋やジャパン、ジョイントの頭文字から取り、「丹波篠山の魅力を日本全国に届け、客の笑顔をつなげる」という意味を込めた。

祖父が遺した3アールでスタート。現在、約7ヘクタールで水稲や黒豆などを、農薬や化学肥料を減らした特別栽培で育てており、農業経営改善計画では5年後に約12㌶まで拡大する。インターネットを使った販売にも力を入れていくという。

実家の農地を引き継いで農業を始めた父を、4年前から手伝い始めた。「暑くて、草はすぐに生え、『こんなにしんどいのか』と思ったけれど、初めて自分が育てた作物ができた時の喜びや、販売した時、『おいしかった』と言ってもらえることがとても楽しかった」

トラックや農業機械も乗りこなしつつ、日焼け対策は万全。元アパレル店員だけあって作業着にもおしゃれを取り入れながら汗を流している。

家族一丸での新たなスタート。「自然が豊かで日本農業遺産にもなった黒豆がある。食べ物だけでなく、まちの魅力も伝えていけたら」と前を向いている。29歳。

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