兵庫県丹波篠山市沢田にあり、大蛇に見立てた大きな鱧(ハモ)を退治する所作がある沢田八幡神社の奇祭「鱧切祭」が、沢田公民館と北沢田みのり会館でそれぞれ行われた。鱧切り役が包丁で一刀両断する所作を見せると、集まった住民らから大きな拍手が起こった。
集落の人たちが車座になって歓談していると、隣の調理場から戸を手でたたいて“大蛇”が近づいてきた雰囲気を演出。2メートル近くある鱧が鱧切り役の前に差し出されると、包丁でしばらくなぞった後、ぐるりと回転させて一刀両断の所作を見せた。
前沢田の小林俊彦自治会長は「準備が大変だったが、無事に終えることができほっとした」と安堵。北沢田の小林公雄自治会長は「配役がそろい、なんとか6年ぶりに開催できて良かった」と話していた。
祭は市指定の無形民俗文化財。沼地にすみ、村に危害を加える大蛇を退治することで村に平穏が戻ったと言い伝えられている。