小5が「流鏑馬」奉納へ 家族3代の大役に”立候補” 弓道場で稽古励む

2023.10.17
地域歴史

本番でかぶる笠の代わりに麦わら帽子をかぶり、流鏑馬の練習に励む木下晟史さん(右)と、指導する山里さん=兵庫県丹波市春日町野上野で

翌年の五穀豊穣を願い、22日に柏原八幡宮(兵庫県丹波市柏原町柏原)で開かれる秋祭りで奉納する恒例行事「流鏑馬」で、今年の射手を務める木下晟史さん(同市立崇広小5年)が、矢を放つ稽古に励んでいる。

9月下旬から、父の政義さん(40)=同町南多田=と弓道場「遊芸館」(春日町野上野)に通っている。同館の山里盛純さん、美紗子さん夫妻から指導を受け、所作の基本や、まっすぐに矢を放つ方法を学んでいる。

祭り当日は馬に乗って3本の矢を放つため、立った状態ではなく、膝をついた姿勢で稽古に取り組んでいる。山里さんは技術的な助言だけでなく、「神事で弓を引くということは、格式が高いということを心に置いておいてほしい」などと語りかけ、神事に臨む上での心構えも伝えている。

同八幡宮の秋祭りは、柏原町南多田自治会が流鏑馬の奉納を担い、同自治会の小学5年生男子が射手を務める。晟史さんは自ら立候補した。

祖父の政昌さん、おじの慎司さんも射手を務めたため、家族3代で大役を担う。「自分もやってみたかった」とほほ笑む晟史さん。射手の保護者も射るため、曾祖父の景一さん、父の政義さんを含めると、家族5人が矢を放つことになる。

晟史さんは「弓を引くのに力が必要で、難しい。1本か2本は当てたい」と意気込む。共に稽古に励む政義さんは、「難しいが、かっこよく決められたら。息子には1本でも当ててほしい」と話していた。

当日は同自治会内や柏原中心市街地を練り歩き、午後2時半ごろから同八幡宮の駐車場付近で奉納する。

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