創意工夫作品で2園が最優秀 防災・防犯をパネル型紙芝居に 「おまつりごっこ」を玩具に

2023.11.25
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最優秀賞受賞を喜ぶにしき保育園の職員=兵庫県丹波篠山市乗竹で

兵庫県が募集していた、保育士らが制作した地域の特色を生かした保育のための作品コンテスト「創意工夫作品」で、兵庫県丹波篠山市のにしき保育園(田村ゆかり園長)が「絵本・童話・紙芝居・人形劇等」部門で、認定こども園ささやまこども園(内藤芳明園長)が「手作り玩具・遊具」部門でそれぞれトップの最優秀賞に輝いた。両園共に、職員が総出で園児のことを思いながら、こつこつと作り上げた作品だけに、保育士らは受賞の喜びをかみしめている。

にしき保育園の受賞作品は、顔出しパネル型紙芝居「こんなとき どうするの?」。地震、火事、不審者に遭遇したとき、園児たちが自分自身を守るための、とるべき行動を知り、覚えられるよう制作した。「おはしも」「いかのおすし」といった防災・防犯標語の意味を説明するため、パネル上に手作りした人形などを貼り付け、顔の部分をくり抜いて顔を出せるようにし、楽しく学べるひと工夫を加えている。

審査員からは、「子どもたちが飽きてしまう防災や防犯の話を、興味を持って聞くことができる作品。顔開きパネルを取り入れることで幼い子から年長まで、幅広い年齢が集中できる工夫がされている。防災や防犯の大切さを伝えたいという保育者の熱心な思いが感じられる」と評価された。

主任保育士の森本麻由子さんは、「どうすれば、楽しみながら大切なことが伝わるのかを考えた。日頃の非常訓練にも活用しており、子どもたちの反応は上々。子どもたちに防災・防犯意識を高めてもらいたいという思いを評価していただけてうれしい」と話している。

最優秀賞の受賞を喜ぶささやまこども園の職員=兵庫県丹波篠山市東新町で

ささやまこども園は同市の夏の風物詩「デカンショ祭」をモチーフにした玩具「でかんしょおまつりごっこ」で受賞した。

同まつりのシンボル、木製やぐらを模したミニチュア舞台に発泡スチロールや布などで作った、同市のマスコット「まるいの」や「まめりん」、踊り子の操り人形をはじめ、丹波篠山に生息する動物の指人形を複数配置し、にぎやかな総踊りの場面を再現した。また、「ごっこ遊び」を楽しんでもらおうと、軒を連ねるさまざまな屋台を段ボールや木材、紙粘土、フェルトなどで制作。焼きそばを調理したり、たこ焼きに楊枝を突き刺したり、金魚すくいをしたりと、多彩な模擬体験ができるとあって、園児から人気を博しているという。

審査員からは「地元の夏祭りを再現した夜店の数々は、見ているだけで楽しい。細やかな工夫がされた作品で、保育者の感性が素晴らしい」などと評された。

保育士の脇田ひとみさんは、「園児たちは、店主になったり、お客さんになったりと、ごっこ遊びを満喫してくれている。遊びを通じて互いの思いや考えなどを共有することで協同性を育んでほしい。年齢によって遊び方にも工夫が見える。異年齢と関わりながら楽しんでくれたら」と話している。

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