秋を代表する花の一つ、「菊」。兵庫県丹波篠山市北新町の大手前南駐車場では、「菊花展」が開かれている。伝統の「お苗菊」をはじめ、大菊や菊の盆栽など約370鉢を展示。黄色や深紅、ピンクに白など、カラフルな大輪が訪れる人に癒しを与えている。15日まで。
お苗菊は、旧篠山藩主の青山忠良が天保―弘化(1840年頃)に幕府から拝領し、家臣に栽培させたと伝わる菊。一度開いた花びらが花弁の裏を見せて巻き上がる特徴があり、その様は、「踊り」などと呼ばれる。
戦時中、多くの品種が絶滅したが、今も21種を地元の愛育家らが大切に受け継いでいる。市菊花同好会のメンバーは、「異常な天候の影響か開花が遅かったけれど、きれいに咲いてくれた。これからも大切に受け継いでいきたい」と笑顔で話している。