山野を駆け抜けるトレイルランニングのプロランナー、中谷亮太さん(32)=兵庫県丹波市=がこのほど、国内外の有力選手を含む305人が琵琶湖周辺を走った大会「LAKE BIWA 100」(同実行委員会主催)で、2年連続で大会記録を更新する快走ぶりで優勝した。100マイル(約170キロ)を走り、登った標高の合計「累積獲得標高」は1万500メートルある過酷なレース。記録は25時間19分58秒で、昨年、自身が更新した記録を約2時間も縮めた。「来年は24時間を切る。それができれば、世界大会の表彰台も現実的になる」と話している。
三重県菰野町をスタートし、滋賀県大津市を目指すコース。制限時間は52時間。
前半からギアを上げて走り、最終盤の150キロ地点からゴールまでの苦しい区間も力強く駆け抜けた。最後4キロのロード区間は、キロ4分20秒を切る快走ぶりだった。
自身が実行委員長を務める大会を開いたことや、仕事などで昨年より練習時間が確保できなかった。その分、箱根駅伝で有名な青山学院大学陸上部のトレーナー、萩原聖人さんをコンディショニングの専属コーチに迎え、体の軸を整えたり、可動域を広げるトレーニングなどを重ねたりすることで、高いパフォーマンスを発揮できるようになったという。
メンタル面での変化もプラスになった。世界で結果を残すために「今、するべきこと」を逆算して考えることで、足りない部分を埋める努力ができるようになったという。
来年は、欧州で行われる2つの世界最高峰のレース「ウルトラトレイル・デュ・モンブラン(UTMB)」「トルデジアン」への出場を目指す。「レースで安定した結果を出し続けたい」と話している。