兵庫県丹波市内の全21小学校のうち、16校が今年度、創立150周年の節目を迎えた。いずれも1872年(明治5)の教育法令「学制」発布から、その歴史を刻み始めた。節目に合わせ、PTAと協力して記念行事を企画する学校が目立つ。中でも「形に残るものを」と、児童や保護者、住民が集い、記念写真を空撮する学校も多い。
今年度で150周年を迎えたのは、崇広、新井、東、中央、西、北、春日部、大路、進修、黒井、上久下、小川、和田、前山、吉見、三輪の各校。
上久下、和田は昨年度に先行して記念行事を済ませた。三輪は検討中。新井と前山、吉見は記念行事の予定なし。南は69年(明治2)、船城、久下、竹田は74年(明治7)に創立された。青垣は、地域の4校が統合し、2017年に開校したばかり。
記念行事の空撮では、時代を反映し、ドローンを使用する学校が目立つ。業者に任せる学校が多い中、小川はドローンスクールで技術を学んだ村岡正典校長が自ら撮影する。中央は航空会社に依頼し、小型飛行機で人文字を撮影予定。企画した中央が、飛行ルート上に当たる南にも撮影を持ちかけた。
また、中央は、150周年を記念したオリジナル演劇を24日、同校で上演する。丹波市のアマチュア演劇グループ「水彩パルチザン」の足立知也団長が保護者という縁で実現。出演を希望した4年生以上の児童と保護者が練習に励んでいる。
春日部は防災について考えるきっかけにと、PTAが10月に「防災フェスタ」を開いた。このほか、運動会や音楽会など従来からある行事に「創立150周年記念」などと冠し、大々的に行った学校もある。
西の梅垣泰三校長は「児童たちが『あの時にこんなことをしたな』と覚えてくれて、学校、地域に愛着を持ってもらうのが周年行事の意義」と話した。
◆学制の発布◆ 1872年(明治5)、全国民が基本的な学校教育を受けられることを目指し、全国の学区ごとに小、中、大学校を設立し、満6歳以上の子どもが小学校へ通うことが義務付けられた。小学校は全国で約5万3000校の設立が予定され、翌73年から各地で相次いで建てられた。