文化「体感して」 子どもらが能上演 5つの体験ブースも

2023.12.15
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新作能の本番に向け、練習に励む大人と子どもたち=兵庫県丹波市春日町黒井で

子どもたちが日本の伝統芸能や文化に関する舞台観賞や体験ができる「歴史文化体感フェスタin丹波」(同実行委員会主催)が、1月13日午前10時から、兵庫県丹波市の春日文化ホールと春日住民センター(いずれも春日町黒井)で初開催される。一般から募った小学生や大人たちが出演する「スペクタクル新作能」の上演や雅楽、酒造り、茶華道などの体験を企画。能楽師で実行委員長の上田敦史さん(50)=同市=は「地域に根付く伝統文化を知ってもらい、地元への愛や誇りを持つことにつながれば」と期待する。

メインイベントは、上田さんが脚本を書いた新作能「貂ノ皮」の上演。午後2時半開演で、入場無料。予約不要。

羽柴秀吉の命を受けた脇坂甚内が、赤井(荻野)直正に降伏開城させるべく黒井城に乗り込む―というストーリー。司馬遼太郎の小説を題材にした。甚内役を林宗一郎さん、直正役を味方團さんが務める。国の重要無形文化財「能楽」を保持する山口耕道さん(同県丹波篠山市)が狂言を披露する。

合戦シーンでは、丹波市内の小学2―6年の10人と、「黒井城甲冑隊」のメンバーら大人10人が、アクリル板で手作りした黒と赤色の甲冑姿で舞台に上がる。10月から月3回程度、一緒に練習に励んでいる。

上田さんの娘(小6)は「大きな舞台は小学2年の頃以来。みんなと一緒にできて楽しい」と話す。4年生の参加児童は「形を覚えて剣を振るのが楽しい。本番は緊張すると思うけれど、体を大きく見せられるようやり切る」と意気込んでいる。

体験ブースは▽黒井おどり▽華道か茶道▽香道▽雅楽▽丹波杜氏と麹文化―。杜氏・麹文化のブースでは、地元の杜氏が酒造り唄や、酒造りで使用する道具を紹介。同市で「おかしなこうじや」を営む本間速さんが、子どもたちに合った形で麹が味わえる企画を計画している。

体験ブースの参加定員は75人。参加無料で先着制。グループごとに全ブースを体験する。事前予約が必要。問い合わせは市文化・スポーツ課へ。

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