「酒のうつわ」テーマに 丹波焼作家を紹介 25人が75点出展

2024.02.14
地域

25人の丹波焼陶芸家が、「酒のうつわ」をテーマに出品した作品が飾られた企画展会場=兵庫県丹波篠山市今田町上立杭で

兵庫陶芸美術館(兵庫県丹波篠山市今田町上立杭)を拠点に丹波焼の里の魅力を発信している「やきものの里プロデュース倶楽部」の陶芸文化プロデューサーが、同館内の丹波焼の里情報コーナーで冬の企画展「丹波焼 酒のうつわ」を開いている。丹波焼陶芸家25人が、テーマに即した約75点を出品。古くから伝わる丹波焼特有の徳利をはじめとするさまざまな酒の器を並べ、伝統的な丹波焼の技法で表現したり、今を映す作品づくりに挑戦したりしている作家たちを紹介している。25日まで。月曜休館。入場無料。

伸びやかな手さばきで今にも踊り出しそうなエビの姿を生き生きと描いた伝統の海老徳利や、複雑な窯変模様により重厚感漂うぐいのみ、朱色と緑色の絵の具で鮮やかなナンテンを絵付けした傘徳利、褐色のグラデーションが美しい薄づくりのカップなどが目を引く。

平安時代末期に誕生した丹波焼。江戸中期以降、それまでの濁り酒から清酒造りが伊丹や灘で本格化したことで、徳利生産が主流となった。酒造りの技術改良により、厚手の大きな徳利から薄手の1―2合入りの小さな徳利、量り売り用の通徳利など、酒を入れる器にも変化が現れた。傘徳利や海老徳利などの特徴的な造形や、名工の銘が入った徳利なども残されている。

出品作家は次の皆さん。

西端末晴、清水忠義、清水俊彦、大上雅司、大西誠一、大上巧、市野信行、清水昌義、市野元和、市野年彦、大上喜仁、二代市野信水、今西徹、清水一也、西端春奈、大西雅文、市野弘明、大上伊代▽故人=市野伊作、市野丹窓、市野弘之、上中此右衛門、大上昇、市野省三、初代市野信水

関連記事