高校球児が小中学生指導 「200年構想」基づく連携事業 野球で地域活性化へ

2024.02.13
地域注目

高校生からキャッチボールを教わる小学生=兵庫県丹波篠山市東沢田で

「ベースボールクリニックin丹波篠山」(兵庫県高校野球連盟、丹波篠山市主催)が3日、同市立篠山中学校グラウンドで開かれた。市内の少年野球チーム、中学・高校の野球部員ら計74人が参加。高校生が小・中学生にアドバイスを送ったり、同市スポーツ振興官で、篠山産業高校野球部の長澤宏行監督をはじめ、各校顧問やコーチが指導したりした。

キャッチングの基礎を繰り返す捕手たち

日本高校野球連盟などが、「次の100年」に向けた行動計画や具体的な事業を定めた「高校野球200年構想」に基づく小中高連携事業。市内では2回目で、今回から小学生が加わった。参加した小学生が、後輩へアドバイスを送る側へと成長する「循環型」の縦のつながりをつくり、野球を通じた地域活性化を目指す。

捕球時の構えを教わる小学生

高校生が、中学生、小学生とペアをつくり、手本を見せたり、アドバイスを送ったりする形で進行。キャッチボールから始め、4つのグループに分かれてのポジション別の守備練習、長澤監督自らが指導する打撃練習、ベースランニングなどを行った。

守備練習では、内野手は捕球やスローイング、投手はバント処理、捕手はキャッチングや声出し、外野手は打球の追い方など、基本練習を繰り返した。小・中学生が見守る中、高校生によるシートノックのデモンストレーションも行われた。

バットスイングを高校生に見てもらう小学生たち

打撃練習は長澤監督が指導。前へ歩きながら、「1、2、3」のリズムでバットを振る練習や、体の使い方を意識する練習を紹介。「野球は攻めないと勝てない。みんながホームランを打つのではなく、自分の特徴を生かして。どのように体を動かせばよいか、頭を使え。野球を通じて何を学ぶかが大事」などと語りかけた。

バットを振る際の体の使い方を説明する長澤監督

内野の守備練習で、ダイビングキャッチで場を盛り上げた篠山産業高の板谷啓杜さん(1年)は、「子どもたちに教えるのはすごく楽しく、自分の力になった。自分がこれまでやってきたことを確認できた」と笑顔。篠山中の村上隼斗主将(2年)は、「守備のときの足の運び方が少し苦手だったが、こつをつかめた。試合につなげていきたい」と手応えを感じた様子。篠山少年野球団の捕手、藤井清正さん(5年)は、「バント処理のときの動き方で、今までやってきたのとは違う動きを教わり、勉強になった」と話していた。

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