「するする飲める」 新酒きき酒会に7酒蔵出品 厳しい気象条件、技術で補い

2024.03.24
地域

丹波地域7蔵25種の味を確かめる国税局の鑑定官や蔵人たち=兵庫県丹波市柏原町柏原で

兵庫県丹波地域の丹波・篠山酒造組合(山名純吾理事長)が製造技術向上を目指す「令和5年酒造年度新酒きき酒会」がこのほど、丹波市商工会館柏原支所であった。記録的高気温に苦労しながら、丹波地域7蔵が25酒(吟醸酒11、純米酒9、普通酒5)を出品。杜氏や蔵人が、厳しい気象条件を技術と設備で補って醸した、蔵の味を確かめた。

新型コロナ禍は参加人数を絞って開催したが、元の形に。また、精米歩合70%で原料米の10%まで醸造用アルコール添加が認められている「本醸造」は業界全体で売れ行きが芳しくなく、今回から対象から除外した。

年明けから気温が特に高く、柏原(気象庁アメダス)の平均気温は1月が4・3度、2月は5・8度と、平年値を1・1度、2度上回った。

審査した大阪国税局課税二部鑑定官室の武宮主任鑑定官は「気温の上下が激しく、もろみの温度管理をはじめ、暑くてお米が溶けにくく造りにくい中、皆さんの蔵は原料米処理やもろみの管理が良く、味が薄く渋い酒は少なかった。吟醸は欠点がなく、純米は純米らしい酸味、飲み応えがある。普通酒は各蔵の特長が出て、するするたくさん飲める」と講評した。

鳳鳴酒造の湊洋志杜氏(51)は「皆さん、よく造られている。他の杜氏の努力、技術が感じられた。同じように苦労されていて、少し安心した」と言い、山名酒造の青木卓夫杜氏(75)は「100点はないが、それなりにできた。こんな天候の中、みんなよく出来ている。蔵の特長があって、似たような味より良い」と話していた。

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