社会教育士 蔦木伸一郎さん(丹波市)

2024.03.03
たんばのひと

蔦木伸一郎さん

学びをもっと楽し

学びを通じて人づくり、つながりづくり、地域づくりに中核的な役割を果たす専門人材の称号「社会教育士」。2020年から始まった認定制度で、文科省の委嘱を受けた大学などで実施される講習や養成課程を受講し、コーディネート能力、プレゼンテーション能力なども身に付ける。今年1月、自身を含め3人の社会教育士で「たんば社会教育士コミュニティ」を設立。子どもも大人も学び合い、誰もが参画できる地域づくりを目指す。

大学院を出て民間会社に就職し、最初の配属先だった愛知県名古屋市でNPO法人が主催する、市民が先生となり、生徒となる「大ナゴヤ大学」と出合った。「知り合いが誰もいなかったのに、学びを通して友だちが増え、町自体に愛着も湧いた。生涯学習の可能性を感じた原体験」と振り返る。

その後、生まれ育った山梨県や、憧れの地だった広島県尾道市でも生涯学習に関わった。また、岡山県西粟倉村が新設した公共図書館と生涯学習施設の融合施設の、立ち上げ準備から運営までを経験した。22年に社会教育士の称号を得て、同年、丹波市へ移住。現在は、同市市民活動支援センターの指定管理者となっているNPO法人・丹波ひとまち支援機構で社会教育や生涯学習事業を担当している。

「社会が大きく変革する時代において、特に大人が学び合う環境は社会にとっても大事になってくる。もっと学びを楽しいものにしたい。学び合う場で、例えば先生役を務める市民に、どうすればうまく伝わるかを助言、サポートするのがわれわれの役目。良い仕掛けができ、学びで得た気づきで、その人の行動に変化があれば理想的」。39歳。

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