兵庫県丹波市市島町上鴨阪の薬師寺で31日午前10時から、33年に1度の本尊の秘仏の御開扉法要(同寺開扉委員会主催)が行われる。本尊に安置されている薬師如来像は、飛鳥時代の皇族、聖徳太子が作ったものと伝わり、病気平癒の御利益があるとされる。垂水恵光住職(55)は「霊験あらたかな薬師如来さまにお会いし、おかげを頂いて」と参拝を呼びかけている。参拝自由。
同寺の文献によると、湖だったこの地にすむ龍蛇の水害を鎮めようと、聖徳太子が作ったという。和銅年間(708―715年)に法道仙人が同寺を開基。像を拝むことで「諸々の病苦を末代に至るまで免れしめん」という誓願がある。
戦国武将・明智光秀の軍勢に攻められ、傷ついた兵士が薬師如来像を背に山へ落ち延び、麓に祠を建てて祭ったという。
法要当日は10時から読経を行う。紅白の餅をまき、たこ焼きやぜんざいなどの露店も並ぶ予定。御開扉は4月27日まで。
御開扉に向け、上鴨阪の宮総代や自治会長ら13人で同委員会を結成。のぼり旗を立てるなどの準備を進めてきた。角木隆久委員長(75)は「地元住民にとって特に信仰があつく、なくてはならない寺。節目の法要は伝えていかなければならない使命」と話している。