終活ライフケアプランナー 柴原万里子さん(丹波市)

2024.04.14
たんばのひと

柴原万里子さん

死後に備え心にゆとりを

死後の準備をする「終活」に関する専門家で、日本能力開発推進協会が認定する「終活ライフケアプランナー」。「さくらplanning」という活動名で、丹波市内で終活セミナーを開催。同市春日部地区では昨年6月から毎月、死後に備えて希望を書き留める「エンディングノートを作る会」を開き、終活の重要性を伝えている。

会社員だった39歳の頃、母が脳梗塞で倒れた。言語障がいが残り、3年後に逝去。母に管理を任せていた自宅の資産状況がさっぱり分からなくなった。「離れを建てていたこともあり、真剣に『借金取りが来るかもしれない』という恐怖に襲われていた」と振り返る。当時の経験から「2人の息子に同じ思いをさせたくない」と、半年間かけて勉強し、同プランナーの資格を取得した。

定年退職後、丹波市内で開かれる終活セミナーで、参加者のキャンセル待ちが出るほど関心が高いことを知り、「世の中に必要とされている」と感じたという。知人を介し、5年ほど前から春日町内でセミナーを開くようになり、コロナ禍が落ち着くと、春日部地区でも定期開催するようになった。「―作る会」には毎回10人ほどのお年寄りが参加。「死」を考える場とは思えないほどに冗談が弾み、貴重な交流の場にもなっているという。

終活の意義を「最期まで自分らしく生き抜けるようになること」と説く。「お金や土地、介護などの問題を整理することで心にゆとりができて、新しいチャレンジができるようになる。終活にはまだまだ暗いイメージが付きまとっている。市全体に取り組みを広めたい」

4人の孫にも恵まれ、「幸せ」とほほ笑む。68歳。

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