兵庫県丹波篠山市内の里山で特徴的なさえずりを響かせていたのは、夏鳥の「サンコウチョウ」。くちばしと目の周りをぐるっと縁取る鮮やかな水色が「ここ、南国?」と思わせるほど異彩を放つ。
30センチにもなる長い尾を持つオスは全長45センチ。メスは約17センチ。雌雄ともに頭部は黒、目の周りとくちばしは明るい水色。日本には春から初夏に飛来し、繁殖した後、秋ごろに越冬地の東南アジアなどに渡る。
漢字で書くと「三光鳥」。その由来はさえずりが、「ツキ(月)ヒ(日)ホシ(星)」と聞こえるからで、続いて「ホイホイホイ」と鳴く。
薄暗い林の中、宇宙(そら)に浮かぶ星々の光の名を冠し、星のような水色の縁取りと長い尾をたなびかせる姿は、なんとも言えないほど幻想的。「あの子を肩に乗せて歩けたら」と、ついつい空想に引き込まれる。
以前から丹波地域にも飛来していると聞いていたものの、記者が実際に出会ったのは初めて。「ほんまにおる!」
と胸を高鳴らせつつ、「ええもん見させてもらいました」と手を合わせた。林で圏外になっていたスマートフォンに編集部から大量のメールが届いており、サンコウチョウの幻想から一気に現実に引き戻された。
【丹波新聞鳥部】(※コメント欄より、弊社の活動を命名していただきました)