グラフィックデザイナー 中西一矢さん(丹波篠山市)

2024.07.21
たんばのひと

中西一矢さん

シンプルに存在感強く

カタログやポスター、ホームページなどのデザインを手がける傍ら、工芸の作り手と使い手をつなぐ「丹波篠山クラフトヴィレッジ製作委員会」などにも参画。デザインの力で多分野に関わりつつも、「基本的に黒子が良い」と苦笑する。

大阪府茨木市出身。「都会に近く、庭が広くて、裏山があって、田と川がある」という理想の家を見つけ、丹波篠山市に移住した。

絵を描くことが大好きだった少年は、専門学校で「グラフィックデザイン」と出合う。デザインの力で広告や販促物に魅力を付加し、人の心を動かすことに魅力を感じた。

ただ、事務所に就職し、さまざまな案件を手がける中、売り上げのために実物以上に見せることに疑問も感じ、「これでいいのか」と苦悩した。一時は別の道も考えたが、独立し、しっかり顧客と向き合う仕事に切り替えた。踏み込んで話し合い、その人や企業だから生まれてくるモノ・コトを大切にし、過剰ではなく、シンプルに存在感を強くするデザインを心がける。

自治会ではさまざまな委員を務め、草刈りもこなす。「当たり前のこと」と言い、「住んでいるエリアのことを考えるようになったのは引っ越してからかも。草刈りをして景色がすっきりすると、地域で生活しているなって」。

丹波篠山での生活は10年を超えた。「とにかく、ここで楽しく生きていきたい」。活動的でありながらも自然体だ。

近く自宅横にギャラリー兼事務所「KERI」をオープンする。工芸作家の作品販売も担う。詳細はインスタグラム(@keri_tambasasayama)で。43歳。

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