今も子どもらの学び舎 旧畑小校舎の児童発達支援センター 連載”まちの世間遺産”

2024.07.23
地域歴史

児童発達支援センターとして活用されている旧畑小の校舎=兵庫県丹波篠山市畑宮で

当たり前にありすぎるけれど、住民が大切にしていきたいもの「世間遺産」―。丹波新聞では、兵庫県丹波地域の人や物、景色など、住民が思う”まちの世間遺産”を連載で紹介していきます。今回は、兵庫県波篠山市畑地区の子どもたちを育んだ旧畑小学校です。

統合による閉校後、「市児童発達支援センター わかば」となり、今も子どもたちと保護者の学びの場であり続ける。

児童数の減少などから2013年4月、城北小と畑小が統合し、城北畑小学校が誕生。校舎は城北小となった。その後、校舎は発達に支援が必要な子どもたちをサポートするセンターとして使用されることに。社会福祉法人「わかたけ福祉会」が指定管理者となり、15年度に開設された。

今も子どもたちにとって学びの場

利用する子どもたちは未就園児から高校生までと幅広い。保育士や言語聴覚士、作業療法士、臨床心理士などが配置され、言語の発達の遅れや集団生活に適応しづらいなど、さまざまな悩みを抱える子どもたちと保護者を支援する。

利用する保護者からは、「だんだんと発音が良くなり、とてもうれしい」「子育てに自信がついてきた」などと喜びの声が届いている。

「元小学校の校舎で、子どもたちをサポートする場として最高。とてもありがたい」と語るのは、施設長の藤本健さん(63)。前城北畑小学校長でもある。

藤本さんによると、今でも畑小の卒業生が遊びに来たり、地域の人が草刈りをしてくれたりと、地域の大切な存在として見守られているよう。「子どもたちに最善の療育を提供し、一緒になって学び、変えていくセンター。希望と幸せづくりの場として、この元小学校を大切に使わせていただきたい」と笑顔で話している。

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