斎藤知事へ「前局長処分は不適切」 疑惑受け、県市長会が指摘 「県政の混乱と停滞は危機的」

2024.08.26
地域注目

兵庫県の斎藤元彦知事らのパワハラ疑惑などを告発した文書問題で県政が混乱していることを受け、県内29市の市長でつくる県市長会(会長=酒井隆明・丹波篠山市長)が今月7日の臨時総会で出た意見をまとめ、23日、酒井市長が知事に要望書を提出した。内容を全文掲載する。

現在、兵庫県政そして斎藤知事に対し、県民のみならず全国からも大変厳しい目が向けられ、憂慮すべき状況にあります。このような状況は、兵庫県市長会としても到底看過できないことから、臨時総会を開催し意見交換を行いました。

兵庫県政が混乱し大きく停滞していることについては、ほぼ全員の市長が一致するところで、危機的とも評されました。本年度の事業予算の執行、そして、来年度に向けた予算編成の方向が出し得るのか、さらに、新規事業の遂行や少子高齢化・人口減少が進行する中の子育てや教育施策の充実、若い人の定着、地域医療の格差是正、農業や農村の振興、自然災害等危機事案対応など、知事のリーダーシップが欠かせない施策の実現について、大変心配する声も上がりました。

また、兵庫県政と県内各市政は、相互に関連するものであり、県と市がコミュニケーションを密にすることは極めて重要である中で、これまでの県政の運営において、県と各市が十分なコミュニケーションを図ることができていたかと言えば、必ずしもそうではないといった指摘もありました。

告発文書にある知事の言動については、県議会の百条委員会で審査中ですので、これを市長会としても尊重すべきとしました。ただし、告発文書を公益通報者保護の対象とせず、十分な調査も尽くさず、前県民局長を懲戒処分されたことについては、多くの市長から不適切であるとの指摘がありました。

斎藤知事におかれましては、本日要望する政策について、来年度の予算編成に反映していただくとともに、現状を正しく認識していただき、県政の混乱と停滞の収束に向けて最善の努力をしていただくよう要望します。

今日まで、歴代の知事、県会議員、県職員、県民を中心に進められてきた「震災からの復興」「美しい兵庫」「自然との共生」「参画と協働」など、兵庫の誇り高き歩みを止めることがないよう、兵庫県政の前進を願うものです。

兵庫県市長会は、これまで以上に兵庫県との連携を強め、より良いまちづくりをめざし、県民のため兵庫県の発展のため共に取り組みます。

令和6年8月23日 兵庫県知事 斎藤 元彦様
兵庫県市長会 酒井隆明

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