ルーツの地で生放送 地域FM「805たんば」 豪雨被災のまちで「10年祭」

2024.09.14
丹波の豪雨災害地域地域注目

災害FMを放送した前山地区で生放送を企画した、たんばコミュニティネットワークの足立理事長(左)とスタッフたち=兵庫県丹波市氷上町市辺で

兵庫県丹波市の地域FMラジオ「805たんば」(80・5メガヘルツ)を運営するNPO法人たんばコミュニティネットワーク(足立宣孝理事長)が16日午前10時―午後4時、同市市島町の前山コミュニティセンターから「想いをつないだ10年祭」と題した生放送を行う。同FMは2014年8月に発生し、前山地区など甚大な被害があった丹波市豪雨災害の被災者に必要な情報を届けようと、同コミセンで放送を続けた災害FMがルーツ。10年の節目を迎え、当時を振り返ったり、復興に関わった人たちが出演したりするほか、音楽ライブや複数の番組を生放送する。

午前中は、被災した人が体験を語るほか、災害対応に当たった元市職員や、災害ボランティアとして活動した人らが次々に出演し、当時を振り返る予定。地域住民の出演も計画している。

正午から、シンガーソングライターの足立大地さんと、丹波の情景を盛り込んだ歌を披露する紀ひろしさんによる「805コンサート」を放送。この他、同FMで放送している番組を届ける。

同法人は13年12月に設立。開局に向けて動く中、同災害が発生し、復旧復興の一翼を担うべく災害FM局を立ち上げた。14年9月17日から被災地の拠点施設だった同コミセン内にスタジオを設けた。

同年11月30日までの約2カ月半、救援物資や給水に関する情報、行政からのお知らせ、独自で取材した情報なども伝えた。足立理事長(72)は、「復興に関わる人から、『被災者に必要な情報が伝わらずに困っている』という話を聞いたのが最初。少しでも復興に携わることができればという思いだった」と振り返る。

同FMは、翌15年に開局。足立理事長は、「災害FMからスタートしたという思いを持ち続けている。前山での災害FMが運営できていなければ、今の805たんばはない」と話している。

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