古民家が複合施設に レンガ窯使い本格パン提供 民泊・テナントも備える 

2024.09.24
丹波市地域食べる

パン店や民泊、テナントなどの機能を兼ね備えた複合施設として整備が進む古民家の前に立つ、フレスデザイン社ディレクターの高木千恵子さん=兵庫県丹波市春日町多利で

兵庫県丹波市春日町多利の築約140年の古民家が、パン店や民泊、テナントなどの機能を兼ね備えた複合施設「もぐ」として生まれ変わろうとしている。都市部の人が自然の空気を目いっぱい感じられ、地元住民も集える場にしようと、生地のデザイン業を中心に不動産、飲食などの事業を手がける「フレスデザイン」社(本社・大阪府箕面市)が整備している。

施設内のパン店「PILKELEIPA(ピルケレイパ)」は、2階建ての離れの1階を活用し、すでに5月にオープン。同県多可郡多可町で20年以上パン店を営んだ男性が提供している。

施設内の店で提供しているパン(提供)

珍しいレンガ窯を使い、まきで焼く「ウインナーフランス」「クルミカンパーニュ」などは、外はぱりっ、中はふわっとした食感が自慢。オーブンで焼くメロンパンやフレンチトーストといった王道メニューや、フィナンシェなどの焼き菓子も用意する。

テイクアウトが基本だが、眼前に広がる田園風景を見ながら、その場で食べることもできる。体に優しい自然素材を使ったコーヒーやレモネードなどのドリンクも提供したいという。

民泊として活用する母屋

民泊は、母屋を活用し、近く始める予定。1日1組限定で、宿泊は13人まで。ヒノキ風呂もある。専用スペースで読書ができたり、食材を持ち込んでバーベキューが楽しめたりと、スマートフォンなどの電子機器から離れ、田舎の空気が感じられる空間に仕上げる。

離れの2階部分は、テナントとして整備する計画。飲食メニューや手作り雑貨の販売などを想定している。地元農家らが野菜などを販売できる場にしたい考えもある。

同社は「誰もが集まれて、ゆっくりと落ち着く気持ちになり、ストレスから解放される場所にしたい」という。

パンを焼く珍しいレンガ窯

パン店は火、土、日曜の正午―午後5時に営業(9月中は土、日曜のみ)。

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