温めておいしい日本酒を選ぶ世界で唯一の「全国燗酒コンテスト2024」(同実行委員会主催)の審査がこのほど、東京都で行われ、兵庫県丹波篠山市波賀野の狩場一酒造が手がける「秀月」が、「お値打ち熱燗部門」で2年連続、「プレミアムぬる燗部門」で初めて金賞を受賞した。いずれも全出品数の上位約30%に授与される。狩場一龍社長は「社員のやりがいにつながり、誇りを持って販売できる」と喜んでいる。
お値打ち熱燗部門は、2200円以下(1・8リットル)の商品で審査温度が55度。「秀月上撰酒」が全224品中、上位73点以内に入った。初出品した昨年も金賞を受賞している。
プレミアムぬる燗部門は、2500円以上(同)の商品で審査温度が45度。「秀月特別純米酒」が全242点中、上位71点以内に入った。今回が初出品。
同酒造は、酒造技術者のほか、流通、料飲業、メディア関係者など、より消費者に近い49人もの審査員が毎年入れ替わる同コンテストの審査基準に魅力を感じ、昨年から出品し始めた。
狩場社長は「なんとなく自信があったが、コンテストで裏付けられてうれしい。最高金賞を目指して、これからも酒造りに励みたい」と抱負を語った。
同コンテストは、燗酒を普及しようと2009年から始まり、今回で16回目。他に、お値打ちぬる燗、プレミアム熱燗、特殊ぬる燗(にごり酒、古酒など)の3部門があり、いずれも全出品点数の上位5%以内は最高金賞が授与される。