兵庫県丹波市氷上町伊佐口に、イチゴ狩りに特化した観光イチゴ園「タナストベース」が新規開業した。面積当たりの株数を減らして摘みやすくしているほか、通路幅を広く取り、ハウス内を動きやすくしている。経営する田辺辰也さん(32)=同市青垣町、柏原町出身=は、「カジュアルにイチゴ狩りを楽しめる観光地として貢献していきたい」と張り切っている。
ハウス内の気温、湿度、二酸化炭素量、日射量を観測し、あらかじめ設定した値になると、装置が自動で動き、換気や暖房のオンオフ、二酸化炭素の発生、液体肥料の散布など、イチゴの光合成に最適な環境をつくる環境制御型農業。数値は時間帯によって細かく定めている。「最新の設備。光合成を最大化することで味がのり、収量が増える」と田辺さん。「タナストベース」は、「タナベ・ストロベリー・ベース」の略。「施設園芸なので、『ファーム』でなく『ベース』を屋号にした」
脱サラし、1年半、アグリサポートたんばの「いちご屋たんば」(氷上町桟敷)で研修し独立。3連棟(24×45㍍)のビニールハウス約1000平方㍍に、小ぶりだが味が濃い「よつぼし」、大粒で果汁感の強い「紅ほっぺ」、甘味が強く果肉が軟らかで食べやすい「章姫」を各2000株植えている。高設栽培では90㌢が一般的な通路間隔を、1・2㍍取っている。車いす、ベビーカーも入れる。
父の生家で、祖父母が酪農を営んでいた牛舎を改造し、直売所やテラス席をこしらえた。「光合成がうまくいっているので甘いと思う。ぜひ市内外からイチゴ狩りに来てもらえれば」と来場を呼び掛けている。
午前10時―午後4時半(完売次第閉店)。月、金曜休み。当面は1日30人程度の受け入れになる。90分制で、中学生以上2700円、小学生1700円、未就学児1000円、2歳以下無料。調味料、飲み物持ち込み可。