初陣でベスト8 「全国で戦える」を証明 青垣ジュニアバレーボールクラブ

2025.03.17
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全国初陣で女子ベスト8と健闘した青垣ジュニアバレーボールクラブ=宮城県仙台市で

バレーボール漫画「ハイキュー!!」の舞台で同競技の”聖地”、カメイアリーナ仙台(宮城県仙台市)で8、9の両日、小学生バレーボールの全国大会「T―FIVE CUP」が行われ、兵庫県丹有勢で初めて全国の舞台に立った同県丹波市青垣町の「青垣ジュニアバレーボールクラブ」は、初陣で女子ベスト8。丹波市のチームが全国で戦えることを証明した。

全国6ブロックの大会を勝ち上がった女子20チームが出場。およそ半数が、夏の全日本小学生バレーボール大会と、冬の全国スポーツ少年団交流大会に出場した県のトップチーム。

「ハイキュー!!」のロッカールームが再現された部屋で、漫画の登場人物のジャージを着て漫画と同じ構図で写真を撮って喜ぶ選手たち

全国では無名の青垣(近畿1位)は予選リーグで真穴(四国2位)を寄せ付けずストレート勝ち。続く山崎(九州2位)は第1セットを奪われたものの、第2セットでトスを高く上げてスパイクを相手ブロックの上から打つよう軌道修正。女子の出場選手中最長身、174センチのエース足立結環主将(青垣小6年、ライト)が力強く左腕を振り抜き、第2、3セットを連取し、逆転で予選リーグ1位突破、8強入りを決めた。スタンドからメガホンで声を枯らし応援した家族ら20人を喜ばせた。

決勝トーナメントは1回戦がシードで、2回戦で地元宮城県の塩竈マリナーズ(東北1位)と対戦。夏、冬とも全国出場した宮城県チャンピオンは、厳しいサーブと、ブロックアウトを狙う巧みなアタック、セッターのツーアタックなどで青垣を揺さぶった。青垣は6人全員で守り、足立主将につないで得点を重ねたが、同点に追い付くものの追い越せず、全国4強に肉薄しながら1点に泣いた。

チームを率いて44年、初めて全国の舞台に立った足立博之監督(78)は、「互角に戦ったが、もうちょっと、もうちょっとの積み重ね。ちょっとしたほころびを突かれた」と悔しがった。「2つ勝ち、決勝トーナメントに残れたのは良かった。山崎で1セット目を落としてから2つ取ったのは選手の成長」とたたえた。

保護者会の足立卓也会長(45)は「地域の皆さんの応援、支援で素晴らしい大会に出場でき、感謝している。6年生の引退試合が全国の舞台だなんて。連れて来てくれた選手に感謝しかない」と感慨深げだった。

チームは6年生4人と5年生2人。足立主将と足立陽音さん(センター)は、同じ病院で誕生日が1日違いの幼なじみ。姉の影響で4、5歳頃からボールに触れていた足立主将が陽音さんを誘い、小学1年から共に競技を始めた。陽音さんは「緊張せず、試合を楽しめた。出し切れた」とサバサバした表情。いろんなスポーツを経験し、4年生で入部した足立友奈さん(レフトバック)は「練習したことは出し切れたけれど、自分にできないこともあると感じた」と言い、「バレーが自分に合い、人と会話する時間が増えた。長く競技ができて、すごくうれしかった」と思いを語った。

青垣だけで選手がそろわず、チームを救った見坂明日羽さん(中町南小6年、レフト)は4年生で競技を始めた。「練習について行くのが大変だった。全国まで来れると思っていなかった。良い経験になった」と静かに話した。

大阪の強豪中学校への進学が決まっている足立主将は大会の注目選手。「全国トップクラスのアタッカーと言ってもらえ、それを誇りに試合をした。大会で自分の悪い面がたくさん出たので、中学校で修正したい。みんなとここまで一緒にバレーができたのが奇蹟。日本代表に入り、お姉ちゃん2人とプレーをする夢を持って、もっともっと頑張りたい」と未来を見据えた。

全国大会は、長く2つだけだった。2019年から「T―FIVE」が3つ目の大会に加わった。青垣は今季、兵庫県1位の石海(西播磨)に敗れ、2つの大会は全国に進めなかった。

試合の合間に、漫画「ハイキュー!!」の聖地の解説付き館内巡りもあり、楽しい思い出をつくった。
青垣の戦績は次の通り。

〈予選〉青垣2(21―11、21―11)0真穴、青垣2(11―21、21―15、15―12)1山崎
〈決勝トーナメント〉青垣0(19―21、20―22)2塩竈マリナーズ

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