農業者らが発表 担い手育成の現状など共有 高校生らの発表も

2025.03.18
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今年度の取り組みを発表する青年農業者=兵庫県丹波市柏原町柏原で

兵庫県丹波篠山市、丹波市の丹波地域農業後継者育成対策協議会(会長=酒井隆明・丹波篠山市長)がこのほど、丹波市立柏原住民センターで「新規就農者激励会、新技術等導入支援事業発表会、担い手育成研修会」を開いた。丹波地域の新規就農者、青年農業者、農業士、高校生、行政関係者ら約70人が参加。担い手育成の現状や成果、課題などを共有した。

今年度、支援事業を導入した青年農業者4人が発表。吉良佳晃さん(丹波篠山市)は、黒枝豆栽培における緑肥の有効性、山田誠二さん(同)は、獣害対策において電気柵のみよりも下部にワイヤーメッシュ、上部に電気柵を組み合わせた獣害柵の有効性を述べた。河手大輔さん(丹波市)は、イチゴの育苗で35穴ポットよりも24穴ポットの方が生育が良かったこと、山本竜矢さん(同)は、飼料用イネは通常、刈り取った日にラッピングするが、刈り取り後、数日乾かすことでカビ発生を抑えられることを発表した。

自己紹介する新規就農者

高校生の研究発表もあり、篠山産業の農と食科3年生は、5品種のブドウを育て、ピオーネが標準よりも糖度が高かったこと、篠山東雲3年の石田千舞さんは、牛の寝床に使う材料の割合をわら1に対し、竹チップ2の比率で使用すると消臭効果や作業効率性が良いことを発表。氷上の食品ビジネス科3年生は、鶏むね肉と米で造る塩こうじの最適な製造法を説明した。

若い農業者に経営者の立場から講演するアグリヘルシーファームの原社長

この他、農業経営士でアグリヘルシーファーム(丹波篠山市)の原智宏社長が「次代を担う若手農業者に伝えたいこと」と題して講演。28歳で家業を継いだ時に借金1億円、年商3500万円だったところから、昨年、年商2億円を達成した苦労話や、経営の工夫点などを話したほか、本業に生かすためにも地域のさまざまな役職を担ったり、つながりを持ったりすることの大切さを述べた。

新規就農者11人の紹介もあり、それぞれが農業を目指したきっかけや栽培品目、意気込みなどを熱く語った。

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