故郷への思い 歌に乗せ
自身が作詞した曲や、時には曲作りも手がけた作品をテレビの音楽番組で歌い、視聴者に届けている。演歌やバラードなど15曲ほどのナンバーがあるが、そのほとんどが丹波地域を歌ったもの。故郷の名所などを歌詞に詰め込み、そこに女性の心情を盛り込んだ“大人の恋”を表現したものもある。
母の先祖から名字を取った「紀ひろし」の名でアーティスト活動に励む。サンテレビの音楽番組「演歌TV.com」に出演するほか、地域FM・805たんばの番組「きのひろしの走れ風」でパーソナリティーを務め、自作の曲を披露している。
かつてはスナックで歌を楽しむ程度で、音楽を趣味にしたことはなかった。それが生きがいに変わったのは、ふと心によぎった「丹波のことを歌った曲があればなぁ」との思い。丹波市が誕生する直前のことで、「自分の中で丹波は山奥、田舎のイメージ。それを歌で変えられたらと思い立った」と振り返る。
丹波の自然と女性心を歌った曲「丹波恋歌」を作詞し、CDデビュー。「音楽は素人」と語るが、意外にも作詞には苦労しなかったという。以降の曲の多くは作曲も手がけ、思いついたフレーズを口ずさみ、音を乗せて譜面に落とし込むスタイルで曲を生み出している。
動画投稿サイト、ユーチューブに公式チャンネルを持ち、「丹波郷の女」「丹波蔵」「TANBA OF 丹波」など、熱唱する姿を公開。大人の恋愛を表現したデュエット曲「無情の月光」など、一部は英訳もしている。「日本の文化がどんどん海外へ出ていく時代。自分の曲の反応を確かめたい」。74歳。

























