笑顔集まる場に江戸の古民家改修 善積祐巳子さん(丹波市)

2025.06.01
たんばのひと

善積祐巳子さん

1200人超クラファンで応援

丹波市春日町小多利で、夫の良至さん(48)と無農薬無化学肥料栽培で年間約100種の野菜を栽培する「ことのはファーム」を営む。夫婦そろってトライアスリートで、「トライアスリートが育てる丹波野菜」で売り出している。同集落にある、江戸末期建築の大きな商家を購入。母屋や土蔵など4棟あり、自宅、食品加工施設、飲食店など多機能施設への改装に2020年から取り組んでいる。今夏、ハード面整備が落ち着く。

改装資金をクラウドファンディング(小口融資)で調達するユニークな挑戦。過去6度のプロジェクトで、延べ1235人から約900万円を集めた。

「銀行からお金を借りて造ったのでは、店の人とお客さんの関係になってしまう。『ただいま』と遊びに来る『関わりのある人』を大勢つくりたい」。母屋の古い床板はがし、漆喰塗りなどの作業は参加者を公募、関わる機会を提供している。

寄付へのお礼、返礼品もひと工夫。農作物や農産加工品という“王道”以外に、夫妻のトライアスロンユニホームへのスポンサーロゴ掲載や、「泳がせる」など二人を稼働させるもの、自身が作る芸術的なステンドグラス作品も。

飲食店営業許可を取得。収穫や自然遊びなど体験型イベントの参加者に食事提供を始める。一般利用は来年5月から。ふわふわ食感のかき氷を提供する。現在、専用機材の導入費用など7度目のクラファンに挑戦中。

施設の名称は「古民家こだわり」。「小多利」に人が集まり、「輪」ができるように、との思いを込めた。「皆さんのおかげ。いろんな人の笑顔が集まる場にしたい」。ゆくゆくは農家民宿にする構想もある。47歳。

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