アクティビスト 加賀野安那さん(丹波篠山市)

2025.07.06
たんばのひと

みんなが住みやすい町に

子育てをしながら、有機農家らでつくる「篠山自然派」のメンバー、篠山国際理解センターのディレクター(事務局長)と多方面で活躍。有機野菜を丹波篠山市の学校給食に取り入れる運動などに関わり、自身も農薬を使わない農業に取り組み、猛暑、少雨などイレギュラーな天候に危機感を覚えながら、土を再生させる緑肥の研究を続ける。また、同センターでは多文化共生に向け、海外にルーツのある子どもたちの学習支援、「やさしい日本語」の普及などに尽力する。

大学卒業後、20歳代はアパレル関連の会社に勤めていた。西宮市で一人暮らしをした際、「野菜がおいしくない」と感じた。丹波篠山がいかに旬の野菜が食卓に並ぶ恵まれた環境だったかを思い知った。インターンで渡米した際にも和食の素晴らしさに気づかされる人との出会いがあった。多国籍、多文化が共生する社会、ビーガンやベジタリアンといった食に対する多様な考え方を肌で感じたことも今の活動につながっている。

子育てを通じ、「西宮で野菜がおいしくないと感じたのも、母親が食べさせてくれた旬の野菜の味を舌が覚えていたから」と感じ、自身も子どもに伝えていきたいと考えている。「食」で心が満たされることが多いと言い、「理解センターでも、それぞれの国のごはんを一緒に食べて、楽しく会話すれば、みんなが幸せになりそう」と構想を練る。

土地の資源を生かし、インドネシアの島を再生したアクティビスト(活動家)に出会い、強く影響を受けた。「自分にできることを、やり続けることが大事だと教わった。自然環境を大切に、外国人も含め、みんなが住みやすく、生きやすい町にしたい」。37歳。

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