コンテナ型ホテルが出店 災害時は移動「レスキューホテル」に 平時はビジネス層向け

2025.09.05
ニュース丹波市地域地域注目

 

建設が進む「HOTEL R9 The Yard 丹波」=兵庫県丹波市氷上町横田で

コンテナ型のホテルを全国で急拡大している株式会社デベロップ(本社・千葉県市川市)が、兵庫県氷上町横田、稲継交差点近くに「HOTEL R9 The Yard 丹波」の建設を進めている。コンテナの特性を生かし、災害時にはトラックで現場に移動させ、「レスキューホテル」として使用も可能という。開業時期は未定。

 同社は2007年創業で、18年に栃木県に「R9」第1号店を開業した。近年は月に数店舗のペースで出店を続けており、8月末現在、全国で117店舗を運営している。丹波店は、県内では加西市に続いて2店舗目。

元は建築用コンテナの製造などを手がけていたが、11年の東日本大震災で、倉庫や復興工事従事者用住居の建設に当たった際、「コンテナ1台が1客室なら、被災者のプライバシーが確保できる」と、「レスキューホテル」の着想を得たという。平時は車利用のビジネス客を主なターゲットに想定し、インターチェンジや工場、コンビニやレストランが近くにある幹線道路沿いに出店している。

ダブルルームの客室内

災害時には部屋ごと被災地などへけん引して宿泊所などとして使うことが可能。新型コロナ禍には自治体や病院から依頼を受け、関東で計7回出動し、臨時医療施設として使用された。「レスキューホテル」は平時と有事、どちらにも対応できる「フェーズフリー認証」(一般社団法人・フェーズフリー協会)を取得している。

 

ユニットバス

「車両型」と「建築型」があり、丹波店は「建築型」。出動要請があれば、基礎ボルトを外し、クレーンでトラックの荷台に乗せて出動できる。全国約170の自治体と災害協定を結んでおり、県内では、神戸市、加西市、三木市が締結している。

丹波店は敷地面積約3850平方メートル。客室数は56室(ダブル48室、ツイン7室、ハンディキャップルーム1室)。一般的な「R9」の外観は黒色だが、丹波店は景観への配慮からライトグレーとする。

標準客室はベッド、ユニットバス、電子レンジ、冷凍冷蔵庫、テレビ、エアコン、空気清浄機などを備える。共用のコインランドリーは4台。

宿泊料金は1泊6200円(ダブル・ツイン1人利用)から。フロント棟に冷凍庫があり、朝食の弁当は6種類から選び、客室の電子レンジで温めて食べる。

デベロップ社広報担当は「平時は宿泊拠点として快適に利用していただきながら、何かあった際にはすぐに活用いただけるよう準備を進め、皆さまに安心して利用してもらえるホテルを目指したい」と話している。

関連記事