コンバインで稲刈る小学生 操縦できる楽しさあふれる 「もっと刈りたい。手伝いに行きたい」

2025.09.06
丹波市地域地域注目

コンバインで稲を刈る荻野将輝さん=兵庫県丹波市山南町池谷で

麦わら帽に、首にタオルを巻いた農家のいでたち。誰かいなと思たら、小学生やないか―。乗り物好きが高じ、農機を操縦できる楽しさから自宅の米づくりを手伝っている、兵庫県丹波市山南町の小学6年生、荻野将輝さんが、コンバインを巧みに運転し、荻野家の田んぼ約30アールの稲を刈り取った。「小学生が稲刈りを手伝うなんて、きょうび珍しい。立派」と近所の農家は感心しているが、本人に労働意識はない。乗り物の運転を純粋に楽しんでいる。

「自分が操作した通りに動いてくれるのが楽しい。刈ると稲が減っていくのが見えて面白い」と魅力を語る。

機械好きの息子に「やってみいへんか」と、父の浩仁さん(56)が声をかけたのが小学3年の時。今年で4年目の稲刈り。レバーで思うがままに農機を動かし、もみ排出アームを伸ばして、浩仁さんが運転する農耕車に積んだ。

「穂が出た」などと時々観察するが、米の出来への興味は薄く、機械への関心が勝っている。「いつ稲刈りするんやろうと思ってた」と、収穫を待ちわびていた。

荻野将輝さん

トラクターで田植え準備の耕うん、代かきもする。田植え機は、過去に任されたものの真っすぐ植えられず、以来、乗せてもらえない。「クラッチがあるトラクターの方が難しい。コンバインは難しくない。もっと刈りたい。手伝いに行きたいくらい」という。

草刈りや隅刈りといった、しんどい作業は浩仁さんが担当。「来年は、稲刈り前に一緒に草取りをしようか」と冗談交じりに誘う浩仁さんに、「え、ちょっと…」と言葉を濁した。

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