丹波篠山市社協職員災害ボラ「きずな」 小谷隆幸さん(丹波篠山市)

2025.09.07
たんばのひと

出来た縁は人生の宝

丹波篠山市社会福祉協議会職員で、市民でつくる災害ボランティアグループ「きずな」の事務局兼メンバー。災害が起きるたび、メンバーを乗せたワゴン車のハンドルを握り、現地に駆け付ける。「一人ができることは小さい。けれど、多くのボランティアが集うことで点が線になり、面になる。それが復興の力になる」

社会福祉に興味を持ち、当時、社会福祉学科があった高野山大学に進学。JAを経て旧西紀町社協に入局し、高齢者や福祉団体、老人クラブのサポートなどを担ってきた。

災害との関わりは東日本大震災。社協が運行したボランティアバスの担当として宮城県南三陸町を訪れた際、心に突き刺さる光景に出くわした。山腹に横たわる船。建物の上に乗った自動車。まちを埋めたへどろ。その中でも復興に向けて努力する人々。改めて思った。「力になりたい」

ボランティアバス参加者が立ち上げた「きずな」に所属し、以来、東北、熊本、茨城、岡山、そして、丹波に能登などと、被災地に赴くようになった。

現地の人々との交流も大きな魅力。南三陸の知人には毎年、黒枝豆を送るなど親睦を深める。「喜んでいただけると、こちらも元気をもらえる。きっかけは災害かもしれないけれど、出来た縁は人生の宝。それに各地でおいしいものを食べるのも楽しみ。現地にお金を落とすことも大切ですから」

いつ、どこで起こるとも知れない災害。「ボランティアセンターの運営など、得た知識は多い。ない方が良いけれど、もし丹波篠山で災害が起きた際には、社協職員としても、きずなのメンバーと共に経験を生かしたい」。61歳。

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