
「農村はクリエイティブ」
耐震強度の不足で建て替えが計画されている里山工房くもべ(丹波篠山市西本荘、旧雲部小学校)の跡地活用を検討する「雲部のみらい創造会議」で委員長を務める。「皆さん積極的に意見を出していただいている。意見を掘り下げ、皆が納得して『やって良かった』と思える場にしたい」
三重県志摩市出身。大学院で地球科学地形学を研究し、東京の企画・マーケティング会社に就職。医療系や子ども向けイベント、プロモーションなど幅広い分野に関わった。2004年には仲間と企画会社「カンファー」を設立し、ウェブ制作や啓発冊子作成、医療系学会の企画運営などに携わる。NPO法人「こころの健康に大切な情報を届ける会」の理事も務め、心の健康に役立つ情報を発信してきた。「心豊かな暮らしに役立つことにやりがいを感じる」
「東京は人が多過ぎる」と感じ、19年、共同経営者の出身地、兵庫県に拠点を移した。農業にも挑戦し、地元のいずみ営農組合の広報部長を務める。ホームページを立ち上げ、ネット通販にも力を注ぎ、地元農産物の販路拡大に取り組んでいる。
一方で、高校時代に始めた芝居も続けてきた。東京では未経験者ばかりを集めて「劇団オンガクヤマ」を旗揚げ。移住後も同名を掲げ、都度、劇団員を募集する形で、ありふれた日常を題材にした会話劇を年1回上演している。
都市と農村の双方で暮らしてきた。「農村はクリエイティブで、生産地としての絶対的な価値がある。自然と向き合うだけで心が豊かになれる」と実感。企画、農業、演劇と多方面での活動を通じ、地域に新しい風を吹き込んでいる。52歳。


























