「ありがとう」届けたい 医療従事者へのメッセージ募る 「医療職目指す人増えてほしい」

2025.10.18
丹波市地域地域注目

医療従事者への感謝のメッセージを募っている足立さん(中央)ら関係者=兵庫県丹波市氷上町本郷で

医療職を目指す人が増えてほしいと、兵庫県丹波市の有志が医療従事者に対する感謝のメッセージを募っている。投函した人の願いを応援する市市民活動支援センターの企画「お願いポスト―あなたの願い全力応援プロジェクト」を活用した取り組み。市民からの「ありがとう」を同市内医療施設に届け、医療従事者への感謝や地域医療の大切さを感じる機会にしてほしいとの思いを込めた。

有志でつくるグループ「みんなの医療応援プロジェクト」が募集している。同グループは、市立看護専門学校の元校長で、現在は県看護協会県ナースセンターサテライト丹波の相談員、足立育子さんが代表を務める。

「注射が怖くないように励ましてくれた先生」「初めての出産で母のように相談に乗ってくれた看護師さん」「父の最期に好きなお酒を飲めるようにしてくれた先生」―など、お世話になった医療従事者に対する感謝の言葉を募っている。

昨年に続く第2弾の「お願いポスト」企画。投函された20通の願い事の中から、昨年末のイベントで参加者が投票して足立さんの「医療職を目指す人が増えてほしい」という願い事を選んだ。

この実現に向け、願い事に賛同する延べ45人の医療関係者や介護施設職員らが集い、4回の「地域医療のおしゃべりひろば」を開催。その中で感謝のメッセージを届けるアイデアを採用した。

足立さんによると、2019年の厚労省の調査で、県内で4000人の看護師が不足しているという。足立さんは、県ナースセンターで看護師に関する就職や復職、進学についての相談に乗っており、県内でも地方に行くほど看護師の不足率は高く、丹波も例外ではないという。

昨年6月、足立さんは市市民プラザを会場にサテライト丹波を開設。「求人数はあるものの、求職者はほとんどいない」と言い、「健康や命を守れる医療施設は、人口が減っても大切。地域の中から医療職を目指す人が増えてほしいと思った」と語る。

「医療従事者は仕事にやりがいを感じており、患者らから感謝の言葉をもらえると『頑張ろう』という気持ちになるものの、仕事は大変。まずは、やりがいを守れるような状況をつくりたい」と話している。

集まったメッセージは、丹波市内の病院など医療施設に届ける。応募は31日までに▽ウェブフォーム▽同プラザなどに設置の箱に投函▽同プラザへのメール(tamba.wishpost@gmail.com)や郵送(同市氷上町本郷300)で。詳細は同プラザホームページへ。

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