「画廊アートカフェ木津」店主 伴直子さん(三田市)

2025.10.12
たんばのひと
仲間と芸術活動に励む

丹波篠山市今田町木津の山裾に立つ古民家を改修して5年前、「画廊アートカフェ木津」を開店。来店者に芸術に親しむ機会と、こだわりのメニューを提供している。日本画家として活動していることから、同カフェとその周囲の自然環境を生かし、芸術仲間と共に合同作品展を定期的に開いている。15―19日、8回目となるアートフェスタの開催が控えており、その準備に追われている。慌ただしくも、三田と今田の二拠点生活を満喫。気の合う仲間や地域住民とアートを通じた交流を進め、静かな農村に、新しいにぎわいの風を吹かせている。

大阪府泉佐野市出身。楳図かずおさんの漫画に感化され、小学生の頃から絵を描くのが好きだった。大手化繊メーカーに勤めていた会社員時代も絵画教室に通い、油絵の基礎を学んだ。29歳で結婚。4人の子育てに追われ、芸術とは疎遠になったが、描きたい欲求は募るばかりで、わが子の夏休みの図画の宿題にその思いをぶつけていた。「息子が担任から『ひょっとして、親が描いているのとちゃうか』と疑いの言葉をかけられるまで毎年、私が描いていました」と“告白”する。子育てを終えた60歳の頃から「絵を中心とした人生を送りたい」と、ボタニカルアート(植物画)を学んで画力を高め、現在は同町内の日本画家に師事し、感性を磨いている。

「今田町の歴史や文化、穏やかな里山の風景が創造力をかき立ててくれるので、作品作りへのアイデアが次から次へと湧いてくる。芸術仲間が増え、地元の皆さんともつながれた。創作活動を通じてこれからもワクワクする日々を送りたい」。72歳。

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