兵庫県丹波篠山市小立の清滝山に祭られている清滝観音堂の御開帳が行われた。小立(19戸)と垂水(18戸)の2軒ずつ計4軒が祢宜(当番)として奇数月の18日に、お堂の掃除や詠歌を唱えるなどして大切に祭っている2カ月に1度の行事。4人の祢宜は、祭壇の観音像に向かって般若心経と詠歌を唱え、家内安全などを祈った。
観音堂を目指して休憩しながら、山を登ること約50分。うっそうとした森が開け、周囲に巨木が林立する観音堂に到着すると、息を整え、汗をぬぐって、堂内の掃除に取りかかった。祭壇にろうそくと線香をともし、シキミや菓子などを供えた。
続いて、黄金色に輝く高さ約50㌢の観音像に向かい、般若心経と観音堂の詠歌をそれぞれ3回唱え、家内安全や村の安寧などを祈った。
4人は、「観音さんの御利益は科学的には実証できないが、ご加護を感じている。村の高齢化により、山頂近くにある観音堂の管理が難しくなってきた。麓に下ろす話も出てきている。どのような形であれ、つないでいくことが大切なこと」と話していた。
子授けの御利益もあるとされる観音像。祭壇には20体ほどの人形が供えられている。この人形を、子宝を願う参拝者が1体持ち帰り、願いが成就したら新しい人形を返すという習わしがある。祈願者の多くは地域住民だが、時々、県外からの参拝もあるという。
以前は毎月、御開帳を行っていたが、住民の高齢化が進んだため、2016年1月から現在の2カ月に1度のスタイルになった。1月には麓の長福寺の住職による法要、8月10日には「千日詣り」として、両集落の全戸で、掃除や参道整備などをしながら観音堂まで登っている。




























