「迦陵頻伽」を切り絵に 本堂の彫刻をPR ハートモミジの絵馬も

2025.11.20
地域歴史注目観光

文保寺が制作した「迦陵頻伽」の切り絵と、ハートのモミジを題材にした絵馬=兵庫県丹波篠山市味間南で

兵庫県丹波篠山市の「丹波篠山もみじ三山」の一つ、天台宗文保寺が、本堂にある彫刻を題材にした切り絵と、同じく本堂近くにあり、幹にハート形の空洞があるモミジをモチーフにした絵馬を制作した。

切り絵は、本堂の欄間にあり、江戸時代に活躍した名彫刻師・6代目中井権次が手がけた「迦陵頻伽」(かりょうびんが)とモミジ、音符、ハートなどを配している。迦陵頻伽は半人半鳥で、極楽浄土にすみ、美しい声で歌うとされる想像上の生物で、笙や龍笛などの管楽器と、太鼓などの打楽器を演奏する天人と共に描かれており、「極楽浄土の音楽隊」とも呼ばれる。

絵馬は、ハートのモミジにあやかったピンク色のハート形。表には「開運招福」の文字を入れ、裏面に願い事を書き込める。一部が小さなハート形にくり抜かれており、「お裾分け」として持ち帰ることができる。

本堂に彫られた迦陵頻伽

同寺は、「切り絵は丹波地域を代表する彫刻師である中井権次の作品があることのPRになればと制作した。もみじ三山を実施中の11月は本堂の中で実物の彫刻も見ていただける」と言い、「ハートのモミジは自然が生み出した奇跡。ハートにはプラスのイメージがあるので、自然の力にあやかりながら願いをかけてもらい、奇跡の分身として小さなハートを持ち帰っていただければ」と話している。

共に1000円。

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