兵庫県丹波市指定無形文化財の奇祭「はだか祭り」が、同市青垣町今出の熊野神社(金子峰代宮司)であり、腹に白いさらしを巻いた上半身裸、白の半ズボン姿の約30人の裸衆の男たちが舞堂や本堂で激しく体をぶつけ合い、健康長寿を祈願した。
裸衆は父親に連れられた幼児から70歳代後半までが参加。公民館前の川で身を清め、「オイサ」「ヨイサ」と声を出しながら舞堂へ。舞堂と本堂を7回半往復する間におしくらまんじゅうのように体をぶつけ合ったり、胴上げを繰り返したりして気勢を上げた。
昨年に続き2回目の参加の上原克則さん(67)は、「体をぶつけ合う時は汗をかくくらいだったけれど、動かないと寒い」と苦笑い。「なかなかこんな体験はできない」と、奇祭参加を喜んでいた。
奉納の最後で賞がかかった、榊を持って逃げる役員を裸衆が追いかける御幣の奪い合いは、けがの心配から取りやめ、裸衆の中から抽選制に変更した。つかんだ御幣によって健康長寿や無病息災の御利益がある掛け軸や矢が授与され、裸衆が最もヒートアップする瞬間だった。
安田英樹・同祭保存会長は「けがが怖いので、改めた。これまでは足が速い人しか御利益を手にできなかったが、子どもから高齢者まで『当たる』チャンスがあるようにした」と話していた。


























