熱々おでんで親睦 住民考案の”種”にも舌鼓 「顔見知りになることが地域づくりの基本」

2025.11.19
丹波篠山市地域注目

「いただきまーす」。熱々のおでんを頬張る子どもたち=兵庫県丹波篠山市殿町で

兵庫県丹波篠山市殿町自治会(57戸)が住民同士の親睦を深めようと、同集落の公民館で初めての「おでんの会」を開いた。子どもからお年寄りまで多くの住民が集まり、熱々のおでんに舌鼓を打ちながら、世間話に花を咲かせ、和やかなひとときを過ごした。

朝からの自治会行事「クリーン作戦」でひと汗流した後、そのまま、おでんの会にスライド。爽やかな秋晴れの下、公民館前の広場に廃材を活用して住民たちが手作りした屋台が登場。定番の大根や玉子、こんにゃく、練りものだけでなく、事前に住民から募ったレシピをもとに調理した、▽明石焼き風たこ焼き▽殿町産の里芋と黒豆に、鶏肉を加えたきんちゃく―の“オリジナル新おでん種”もお披露目され、「うまい」と好評だった。参加者たちは、地元コシヒカリのおにぎりと交互に頬張りながら、笑顔を交わしていた。

廃材を活用して住民が手作りしたおでん屋台=兵庫県丹波篠山市殿町で(提供)

酒も入って盛り上がる大人たちの傍らで、子どもたちも菓子を的にした射的を楽しみ、歓声を上げていた。

以前から「芋煮会」と称して、住民が集まる機会をつくっていたが、新型コロナ禍で中断していた。それに代わるものとして2年前から「おでんの会」企画を温めていた。

井関昌治自治会長(64)は、「他愛もない話こそ親睦を深める意味で大切なこと。向き合ってじっくりと会話を交わす機会は少ない。殿町は移住者が多い村なので、特に顔見知りになることが地域づくりの基本となる。これからも住民みんなで協力しながら、イベントを続けていけたら」と願っていた。

関連記事